視力って何?
視力検査は、国内ではランドルト環という、「C」の形の切れ目の方向を答えることで測定します。乳幼児の場合は、絵視標という、動物などの形などの絵をつかう検査もあります。また、動く縞模様を見せて興味を示せば見えているということで視力を推定する、選択視法というものもあります。
国内では小数点視力といって、1.2などと表現します。欧米では20/20など、分数表示が一般的です。表現は違っても数字としては共通になります(換算できます)。
研究で用いる場合には、視力の変化を評価するときにlogMAR視力という表示法や、ETDRS視力表などが用いられます。
また、通常の視力検査は白地に黒い文字(記号)ですが、コントラスト感度といって、灰色の文字を使って検査する方法もあります。
視野って何?
視野は、見える範囲のことです。一点を見ているときに、鼻側は60度、耳側は100度、上方は60度、下方は70度くらいの範囲が見えています。ただ、周辺部は感度が低くて明るい光しかわからず、中央部は感度が良いので暗い光でも見えます。
見えない部分を暗点と呼んでいます。緑内障は弓状暗点、黄斑変性は中心暗点など、病気によって視野欠損の形が異なります。網膜芽細胞腫の場合は、腫瘍のあった部分が見えなくなるため、不規則な欠損になります。
視野検査は、通常は片目ずつ行います。いくつかの検査法があり、目的によって使い分けています。
正確な視野検査をする場合、10~30分は集中して検査をする必要があります。そのため、子どもの場合には正確な検査は難しいことになります。家で遊んでいるときに、片目を手で隠して、物の見えている状態を確認してみると、大体の視野がわかるかもしれません。
視覚障害者とは?
視覚障害とは、視力や視野、色覚などの視機能に障害があるために、見ることが不自由または不可能になっている状態です。視力と視野の程度で基準が決まっています。申請するためには指定医という資格を持った医師が書類を記載する必要があります。
片眼を摘出した、あるいは完全に光がわからない場合であっても、他眼が0.7以上見えている場合には視覚障害者には該当しません。
視覚障害者は、医療費の助成、交通機関の割引、白杖など補装具の支給など、等級によって種々のサービスが受けられるようになっています。
視覚障害の基準(概要)
視力=矯正視力
1級:視力の良いほうの眼の視力が0.01以下
2級:1 視力の良いほうの眼の視力が0.02以上0.03以下
2 視力の良いほうの眼の視力が0.04かつ他方が手動弁以下
3級:1 視力の良いほうの眼の視力が0.04以上0.07以下(2-2を除く)
2 視力の良いほうの眼の視力が0.08かつ他方が手動弁以下
4級:視力の良いほうの眼の視力が0.08以上0.1以下(3-2を除く)
5級:視力の良いほうの眼の視力が0.2かつ他方が0.02以下
6級:視力の良いほうの眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他法が0.02以下
視野
決められた強さの光が見える範囲を測定する
両眼による視野の1/2以上の欠損が5級、視野がかなり狭いと2~4級になる。(詳細は割愛)
視力と視野の合算
視力と視野の基準をあわせることで等級の上がる場合がある(詳細割愛)