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【治療中】

毎日の生活で気をつけることは?

 全身の抗がん剤治療をしているときは、免疫力が下がって感染症にかかりやすくなります。感染予防の飲み薬を処方されることが多いので、内服してください。食べ物も、生ものは避けるなど、小児科の先生の指示に従ってください。


 眼の治療をしているときには、全身の治療の時ほど注意することはありません。ただ、カゼなどの症状があると治療ができなくなる(麻酔ができない)ことがありますので、風邪症状など体調の変化があれば早めに小児科を受診して相談することと、主治医に相談してください。


 家族にカゼなどの方がいる場合、可能であれば一緒にならないか、できる範囲で一緒にいる時間を減らすなどの対策が望ましいです。

してはいけないことは?

 絶対にダメというものはありません。幼稚園、保育園なども全身状態がよければ通園してかまいません。ただ、感染症をもらってしまうと治療ができなくなるので、園で感染症が流行っているときにはお休みしたほうが安全です。

【治療中~治療が終わってから】

親としてどのような症状に注意したらよい?

 親として観察していて、普段と違う症状があって、治らなかったり悪化する場合には、念のためかかりつけの小児科か、主治医に相談してください。


 例えば、頭痛や嘔吐などは、多くの場合はカゼのような病気の症状ですが、腫瘍が脳に転移した時にも同じような症状がでます。カゼの治療をしても治らない時には頭のMRIをとることがあります。

瞳孔が白く反射したら?

 ある程度大きな腫瘍を治療すると、白い石灰化が残ります。これは取り去る必要はなく、再発がなければ一生そのままです。フラッシュを使って写真を撮ったり、光を瞳孔にあてると、偶然石灰化の部分で反射して白く見えることがあります。定期的に眼底検査を受けている場合、急に大きな再発腫瘍ができて白く反射することは考えにくく、多くの場合はこの治療後の反射を見ています。ただ、繰り返し白く見える場合は念のために早めに診察を受けて確認することが安全です。

斜視になってきた?

 視力の悪い眼球は、眼の向きがずれていても自覚できないため、結果として斜視になることが多いです。ずれる向きは人によって異なりますが、より目(内斜視)や外を向く(外斜視)ような横方向のずれが多いです。


 片眼の視力が悪い場合、本人は視力の良い方の眼で見ているので、斜刺になっていても自覚はありません。手術で眼の向きを治すことはできますが、手術後またずれてしまうことも多く、腫瘍のない方の斜視とは治療方針が変わってきます。

見づらそうにしている

 乳幼児では、見え方の訴えはできません。ただ、視力の良い方の眼の視力が悪くなると、例えばおもちゃがあっても興味を示さなくなったりします。食事の時も手を出さなくなったりします。日常生活で、これまでより見づらそうにしていると感じた場合は、眼科受診を勧めます。腫瘍の再発、治療後の網膜剥離や白内障などの合併症などの可能性が考えられます。

学校では前の方の席が良い?

 良い方の眼の視力次第です。近視や遠視があれば矯正用の眼鏡は必要ですので、大切なのは矯正視力になります。視力が0.5くらいあれば、教室の真ん中くらいでも見えます。0.3くらいになると前の方でないと見づらくなります。


 ただし、最前列でも左右だと遠い方がみづらくなったり、窓からの光が反射して見づらかったりしますので、真ん中の列の前の方が良いと思います。実際に本人の見え方を確認することが重要です。

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