義眼はどのくらいお金がかかるの?
義眼は、義眼床の状態に合わせて作成する、オーダーメイド義眼が一般的です。費用は義眼作成者により異なりますが、10万円前後が一般的です。費用は義眼作成者に支払い、後で還付金をもらうことになります。手続きは、障害者手帳の有無により異なります。所属する健康保険組合などに確認してください。
以前は医療機関から意見書というものを発行していましたが、現在は健康保険組合に確認の上で「治療用装具製作指示装着証明書」を、あるいは障害者の場合は福祉担当部門から診断書・意見書を取り寄せ、医師に必要事項を記載してもらい、申請をする流れになっています。全額ではありませんが、一定の還付金があります。
義眼はどのように手入れするの?
義眼は、義眼床(結膜で覆われたスペース)に入れるもので、出し入れが可能です。医師、もしくは義眼師の指示に従って洗浄します。
洗浄の頻度はいろいろな考え方があります。義眼台の入っていない場合には、眼脂がたまりやすいので1日1回は洗浄したほうが良いと考えます。一方で義眼台が入っている場合は眼脂がたまることは少なく、一方で着脱の際に感染の危険や眼瞼下垂を生じるリスクがあることから、海外では自己洗浄せず、数か月に1回義眼師が洗浄するだけということもあります。
寝ているときの扱いもいろいろな考え方があります。炎症の強いときなどは刺激を減らすため外していたほうがよいです。一方で義眼がないと寝ている間に結膜が乾燥して、朝に義眼を入れにくくなったり、結膜を傷つけることがあります。義眼の扱いは義眼床の状態をみて、担当医が指示します。
義眼は動くの?
眼球を摘出した場合、義眼台というものを埋め込むと義眼はある程度動きますが、個人差が大きいです。
ペグという棒状のものを義眼台に差し込み、これに義眼をつけるとよく動きます。ただ、結膜から異物が露出している状態で、感染の危険があり、海外でも一部で使われているだけで、国内では行っていません。昔は磁石を使って義眼が動くようにしていましたが、MRIが使えなくなってしまうため、現在は使われていません。
結膜と筋肉を縫い合わせて、筋肉の動きをうまく義眼床に伝えることで義眼の動きを期待する手術方法もあります。
一方で、義眼台がない場合には、筋肉の動きを義眼床に伝えることができず、また義眼も厚くて重いので、動きはありません。